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THE PROFESSIONALS 税理士の仕事
税務機能の再構築支援
KPMG 税理士法人 小島 梨絵さん


多国籍企業の「今」と「未来」を支える税務機能をデザインする仕事
近年、世界各地で紛争や対立が深刻化し、「地政学リスク」と呼ばれる政治的・軍事的な不安定要因が高まっています。その結果、世界経済も不安定になりやすい状況が続いています。税制は、もともと各国の政治や経済状況の影響を強く受ける仕組みですが、最近はその変化のスピードと複雑さが一段と増しています。
従来、税制は主に「各国ごとのルール」の話でした。しかし今は、経済協力開発機構(OECD)によるBEPSプロジェクト(税源浸食と利益移転 ※多国籍企業の課税逃れへの対策)や各国間の情報交換の強化など、「国際社会全体で公平な課税を目指す」動きが進んでいます。これにより、国際税務を取り巻く環境は急速に複雑化し、多国籍企業は各国の税制だけでなく、それらを貫く国際ルールにも対応しなければならなくなっています。
このような環境変化に「きちんと対応できた企業」と「うまく対応できなかった企業」との間では、税コストやリスクの面で大きな差が生じます。その差は、単に財務状況や業績(利益の多寡)にとどまらず、事業そのものの評価や、投資家・金融機関・取引先からの信用にも影響を与えかねません。税務対応の巧拙が、企業価値やレピュテーションに直結する時代になっているのです。
日本企業の多くは、海外子会社の税務について「現地に任せる」分散型の税務ガバナンス体制を採用してきました。つまり、本社では大まかな方針を示しつつも、各国の子会社がそれぞれ自分たちで税務申告や税務当局との対応を行う形です。
しかし、本来、税金は人件費などと同じく「企業の利益を減らすコスト」であり、しかも多額のキャッシュアウト(現金流出)をともないます。企業がフリー・キャッシュ・フロー(実際に自由に使えるお金)を増やし、持続的に成長していくためには、「どの国でどれだけ税金を払っているのか」「グループ全体として効率的な税務構造は何か」を、グローバルな視点から一体的に管理・高度化することが不可欠です。分散型の税務ガバナンス体制では、こうしたグローバルでの高度化を実現することは難しく、限定的な改善や対応漏れ、リスクの見落としが生じやすくなります。そこでKPMGでは、企業の税務機能を抜本的に見直し、グローバルで一元化・標準化・高効率化された状態へと変革していくためのフレームワークとして、「Tax Reimagined(税務機能の再構築)」を提唱・推進しています。Tax Reimaginedは、以下の3つの要素を統合した包括的なアプローチです。
税務トランスフォーメーション
企業が思い描く「税務トランスフォーメーション(税務の変革)」の姿は、企業ごとにまったく異なります。現在どの段階まで取組みが進んでいるか(ステージ)も、企業ごとにバラバラです。
そうしたなかで、まずは企業のビジョンや経営戦略を丁寧に理解し、その会社にとって適切な“税務機能の再構築プラン”をデザインすること。これが、KPMG税理士法人のいう「税務トランスフォーメーション」です。単なる理想論で終わらせるのではなく、企業のタイムライン(いつまでに、どこまでやるか)と予算に沿って、グローバルで一貫性のある税務ガバナンスとリスク管理ができる体制への変革を、提案し、実装していく――。この「構想づくり」と「実行支援」の両方を担うことが、税務トランスフォーメーションに携わる税務コンサルタントの専門的な役割です。
税務トランスフォーメーションが目指す“究極の到達点”の1つが、GCMS(グローバル・コンプライアンス・マネジメント・サービス) です。
税務コンプライアンス業務に自社のリソースを費やすのではなく、KPMGのような専門家にグローバルで委託することで、企業が本来フォーカスすべき税務戦略に時間を振り向ける――。こうした先進的かつ大胆な変革に踏み出す日本企業も、少しずつ増えてきています。
グローバル・コンプライアンス・マネジメント・サービス(GCMS)
GCMSとは、企業が世界中の申告業務の委託先をKPMGに統一することで、各国で必要な税務申告やレポーティングを、共通の品質基準で一括管理するサービスです。これにより、
多数の国・地域にまたがる
税務コンプライアンスを、
効率的かつ確実に遂行できる各国の税務リスクや
税コストの適正化機会を横断的に把握し、
本社のグローバル税務戦略に活かせる
といった効果を生み出します。
つまり、単なる「各国バラバラの申告代行」ではなく、グループ全体を見据えた税務マネジメントを支える専門的なサービスです。これは、世界各国に拠点とプロフェッショナルを持つグローバルネットワーク型の大手税理士法人だからこそ提供できるサービスであり、企業のグローバル展開を、税務の面から一体的に支える「パートナー」としての役割を果たすことになります。
一方で、そこまでの大胆な変革を一気に進めるのは難しいものの、テクノロジーを活用して、まずは税務業務の一元化・効率化から着手しようとする企業も増えています。
税務テクノロジー
KPMGでは、税務に特化したクラウドサービス「KPMG Digital Gateway」 を開発・進化させています。税務データを正確に収集し、管理・活用するためのデータ・ガバナンス機能に加え、多岐にわたる税務コンプライアンス業務に特化した各種アプリケーションを組み合わせることで、企業の税務業務の高度化と効率化を実現しています。その結果、データに基づく意思決定や、税務リスクの早期把握・シミュレーションが可能となり、 企業の税務機能は「申告業務(コンプライアンス)」に追われる時間を減らし、「税務戦略」を考える時間へシフトできる―― その基盤をつくるのも、私たちの仕事です。
不確実性が高まり、国際税務が複雑化する現代において、KPMGのTax Reimaginedは、企業がグローバルに事業を展開し続けるための重要なインフラともいえるのです。

プロフィール
KPMG税理士法人 小島 梨絵さん
2004年、大手会計事務所 ニューヨーク事務所の監査部門に入所。
2005年、大手会計事務所 トロント事務所の監査部門に転籍。
2011年、KPMG米国 トロント事務所の税務部門に入所。2019年からKPMG税理士法人に駐在。
2024年、KPMG税理士法人に転籍。
保有資格:米国公認会計士(Inactive)・カナダ公認会計士(Inactive)
会計監査業務および国際税務の実務経験を基盤として、現在は多国籍企業の税務ガバナンス・プロセス・テクノロジーの高度化・改革支援に従事。
会社情報

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- https://recruit-kpmg.jp/index.html
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KPMG税理士法人は、KPMGインターナショナルのメンバーファームとして、東京、大阪、名古屋、京都、広島、福岡を主な拠点に約1,050名の人員を擁する国内最大級の税理士法人です。 各専門分野に精通した税務専門家チームにより、多様化する企業経営の局面に対応した的確な税務アドバイス(税務申告書作成、国内/国際税務、移転価格、BEPS対応、関税/間接税、M&A、組織再編/企業再生、グローバルモビリティ、事業承継等)を、国内企業および外資系企業の日本子会社等に対して提供しています。
